あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

アローハ、オエ。

 夏の雲は表情が豊かで、とても抒情的で好きです。買い物帰りの薄青い空に、逞しい入道雲がそびえ立っているのは、見応えがあって胸が高鳴るように思います。目の前に立ち塞がる巨大な雲の山脈は、膨らんだ裾を豪胆に引きずって、物凄い速さで私の頭上に迫ってきます。目が痛くなる程の眩しい白が、頂上付近で輝いているのに反し、決壊寸前の濁流を抱えた低層部分は、不機嫌な様相でゆっくりと蠢きながら空の青味を贅沢に食い潰してくるようなのです。

 「暑いなあ」とか「身体中がベタベタで気持ちが悪い」とか、とかく険しい顔に成りがちな周囲の人々を、更に無口にさせるような鬱陶しい肥大した雲。ムッチリ、嵩(かさ)を増しながら雨の気配を連れて来る積乱雲。

 蒸し込めるような7月の息苦しさと違い、8月は何か、こちらへ挑みかかって来るみたいな豪快さを感じます。空き地に生えた雑草さえ実に乱暴な有様を晒し、好き勝手に地面を埋めて自由に伸び広がっていくのです。日が陰れば、焼き切れるような暑さを耐え忍んでいたミンミンゼミやアブラゼミが狙いすましたごとくに、ワっと声を張り上げ始めます。けれんみなんて微塵も無い、薄っぺらい取り繕いの真似事さえ無い、色気の無い、真っすぐな灼熱が8月という月には根付いているように思うのです。

 ファッションに疎い私にも、夏にこそ利用したいアウターがあります。

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 パウスカート。ハワイの「フラ」(ダンスの意)を踊る際に、女性が身に付ける舞踏用のスカートです。原住民が使用する腰蓑を模した、ふんわりと膨らんだフォルムが特徴です。常夏の国らしい、色鮮やかなバリエーションが眼にも爽やか。時に奇抜にも映るデザインですが、中には落ち着いた雰囲気の物もありますので我々の日常使いにも合わせられます。純綿製が基本であるらしいですが、使い勝手の良さからポリエステル70%程度の生地が重宝されるとか。

 ウエストで穿く物というより、腰骨で穿くスカートの為、負担が軽くて動き易いです。しかも、3本ゴムや4本ゴムで締め付けが分散されているので、とにかく着用が楽チン。さすが常夏の国の名物と頷けるスグレモノなのです。

 私はこれに、無地や小柄の綿シャツや麻シャツを合わせて、私定番の「ハンチング」を被っております。

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 そしてパウスカートの利点のもう一つは、太ももやお尻周りに汗をかいても布地がまとわりついて来ない事、私にとってはこれに尽きます。通勤や子供の送り迎えの為、自転車を頻繁に利用する私にはスカートはやや不便。ですが、この快適さを無視出来ないので、ついついヘビロテになってしまうのですよね。改まった場所には勿論不向きですけれど、レジャーにも普段使いにも場所を選ばないのが有り難いです。動きの激しい子供相手だとそれは余計に顕著です。元々、踊りの為に誂えられたスカートであるのでアクティブな使用にこそ美しく見えるのも嬉しい。

 ジットリと燻されるように不愉快だった7月。それを潜り抜けて、遠慮のない陽射しで炙られる8月。身を竦ませて受け身で過ごしていた自分を反省してみて思いますが、あれこれ品を替え、工夫をしてみれば、夏も、存外、見応えのあるモノであるのだと気付くのです。寝苦しい時には寝具を思い切って取り換えてみましたし、行水を上手く取り入れてみたり、食べ物にアイディアを利かせたり。

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 でも、一番の改革は、自分自身の意識なのかも知れません。

 何しろ、5歳と1歳半の息子達が、どうにも夏が楽しくて仕方ないようなのです。今日はプールだ、散歩の途中にカブトムシを拾った、アイスクリームが美味しかった、明日は日曜日だ何して遊ぼう、お月様がまん丸だった、虫の声が聞こえる、猫じゃらしがいっぱい生えてた、自転車で坂道を下れるようになった、水に潜れるようになった、お母さんに内緒でお父さんとコンビニでお菓子買って来た、目白押しのスケジュールが、たった2カ月や3カ月程度しかない「夏」にこなさなければならないわけで、いちいちくたびれている場合ではないのです。

 暑い暑いと愚痴ばかりを口にしながら、空調の利いた部屋で一日中時間を潰していた記憶が私には全く残っていません。子供の頃の私にも、恐らく目白押しのスケジュールが、自分ルールのスケジュールがワンサカ盛り込まれていた事だろうと思います。

 ゆったりと、じんわりと流れていた夏らしい夏を、私は今更、我が子達となぞるように楽しんでいる最中なのだと最近気付きました。