愛すべきサピエンス達
ゆったり暮らすとか、のんびり過ごすとか、時には張り詰めた自分を解き放つ期間があっても良いと思います。緩みを持たせていれば、次に訪れる緊急事態に素早く反応出来る余力を蓄えられる事があります。
だけれども、力まずに自然体でいるのと、無作為にズボラをして考える事を止めてしまうのでは意味合いが違うと思うのです。自分から何も与えないのに、人からの恩恵ばかりを当てにしているのは少しズルイ気がします。大きな口を開けて、餌が落ちて来るのをボンヤリ待っている人と、多少なりとも心配りをして幸せのプレゼントをせっせとこしらえている人と、どちらの相手と友達になりたいかという事なのです。
失敗するのが怖いから、ぼんやりとしていたいのか、反撃に会うと立ち直れないから、閉じこもっていたいのか、人待ち顔して遠くを眺める人は、何か悲しい理由があるに違いありません。言い知れない寂しさがあっても別に構いません。大切なのは、それを無敵の免罪符にしてしまわない事です。
人は、本当に優しい生物だから、相手を無意識に労わろうとします。ですが、無暗に喰い物にされたくないという防衛本能も、生まれながらに持っているのです。厳しい事実なのです。