あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

星影さやかに。

 「CHIRONⅡ(ケイロン2)」は、1億4千万個の天体を描く事の出来るプラネタリウム投影機だそうです。人工的な光、月光、反射光などを全て取り除けば、我々がいる地上からも本来はそれほどの星空を見上げられるという事でもあるわけです。

 空に浮かぶものは、手に届かない物の象徴として、時々、詩にも表現されます。人の命が還って行く場所としても、夢が生まれる場所としても、天空はふさわしい場所であるのでしょうか。地中深く、海底深くが、まだ未知の場所ではありますが、更に計り知れない場所が我々の頭上には広がっています。

 見上げる事しか出来ない場所に、静かにキラキラと輝いている光の1つが、失ってしまった大切な人の面影であって欲しい、と昔の人は夢想したのかも知れません。辿り着けない場所であるけれども、いつも目には見えていて、悲しい時に仰ぎ見れば、まるで自分を励ましてくれているかのように道を示している星。長い旅を一人続けている人には、これほど慰めになる心強い物は無かった事でしょう。

 亡き父の行先が、今日の星空の一粒であったのなら、少し嬉しい気持ちもします。解明されていく宇宙の謎と、いつまでも謎めいた輝きを湛える星と。