手習いの道行き。
私は言葉を扱う世界にいる。だからこそ言葉を無下にはできない。
毎日、本当に、言葉に揉まれている実感がある。仕事で携わっている分、この雑記を書いている時は、実に気楽で純粋に楽しみながら、時に天衣無縫に文字の世界に溺れている。
好きな事を仕事にすると、辛くなるし、現実世界か自分かに幻滅する日がくる、と言う人もいる。そういう働き方、そのような求道精神が勝ってしまえば、あるいは、好きな事で食っていくというのは厳格な世界であるのかも知れない。
幸いな事に、そして残念な事に、私はまだその域に達していないので、日々、先輩方の仕事ぶりを追い、仕上げられた案件に触れ、感動ばかりしている。
今日は、大先輩が、褒め言葉を使っている場面に出くわした。
何という美しい褒め言葉なのだろうと、胸を射抜かれた。褒めている本人も、褒められている相手も、また彼等のやりとりを傍観している人々も、完璧だったのだ。
こうありたい。強く、願う。