あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

500文字ブログ:逃避行

 上京してきて、まだ、なんぼも経ってへんから、余計にそない思うんやろな。東京の街は、いっつもどっかが、ドロドロに溶けた鉄みたいに動いとるんや。両目で見渡せる画面全部、脳科学で言うところの「アハ体験」みたいに、ゆーっくりと変化していっとる。

 私の故郷の町を、時計の「短針」やとしたら、東京は間違いなく「秒針」や。下手したら、高性能の0.5秒刻みのソレなんかも知れん。郊外在住の私でさえ、溜息が出るんやから、都心で生活してはる人は、そら、毎日が目まぐるしいんやろう。最先端の「粋」が集まる場所がええんか、絵に描いたような田舎がええんかは人それぞれやと思う。里山に懐かしさを感じるのも「人」やし、都会の鮮やかさに憧れるのも「人」や。

 ただ、どっちで暮らすにしろ息苦しさを感じる瞬間っちゅーのはある。不便さっちゅーのかな、身動きの取りにくさっちゅーたらええんやろか。自分のその時の疲れ具合にもよる。「ああ、ここじゃない、どっかへ行きたいなあ」っていうアレな。

 居場所を求めるのは、結局、寂しいからやねんな。自分に寂しさをもたらしてるモンの正体が分からんからなんよ。だって、楽やん。自分以外の誰かのせいに出来たらなあ。