あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

手指から、するり、するり。

伝える為に作られた「ことば」を、どうにか伝わる形に組み直して送り出したいものだと常々考えている。 どうしてここまで私は「ことば」に執着するのか、解らないけれど。感動的な表現に触れた時に、私の心の底は波立って震えているはずなのに、その振動のい…

ねじ曲がったものは、きっと、距離感だけじゃないよね。

リモート作業で原稿の校正をしている。少し前まで、WEB会議やオンライン取引などは、自分にとっては未知の領域で繰り広げられる、澄ました顔をした絵物語のような存在だった。ちょっとおかしな言い方になるが、遠くで眺めている時にはすごくお洒落なものにそ…

切に。

自分の想いを、誰かに伝えようとする行為は、実にいじらしい。 抱える訴えは言葉を尽くして、心を砕いて、方法を熟考して放たれて、ようやく相手に響く形になる。届ききらない内についえてしまう想いもある。発せられる事なく、枯れてしまう想いもある。受け…

標榜する本当の「理念」

誰かを犠牲にすれば成り立つ仕事というのは、それはもう「仕事」ではない。誰かの何かを切り取る事によってなんとかバランスを保てるような作業は、もうそれだけで会社は引き受けてはならないのだと思う。客に損失を出させないのは当たり前だとしても、社員…

もう一度、息子達へ。

好きと思う心と、真正面から向き合っているのがいい。 気恥ずかしいなら、時々視線をはずしても構わないけれど、投げやりな態度を取ったり、気の無い素振りを見せてばかりでは勘違いされてしまう。好きだと認識できているのなら、これに嘘を絡めたりしない方…

息子達へ。

戦友のような、幼馴染のような、共犯のような友達がいい。人づきあいがまずいと自覚していてもいいけれど、それをひけらかしていても人の輪から遠ざかるだけだ。 人を嫌う態度を取る人に、あえて近寄っていく人は少ないだろう。毛を逆立てている猫へ、不用意…

解っていないわけじゃあないんだよ。

繋がっていたい気持ちは解る。自分も独りきりを持て余す事があるから。そうは言っても、やり切らなければならない課題は日々あって、ひとまず我が儘は脇に置いておく。 見本のような生き様を選んでもいいけれど、それに伴う気力も体力も備わっていない。理想…

嘘という手段が、守れるもの

両手を開いて見せてくれる人に、堪らなくなって愚痴を言いたくなってしまった。社交辞令でもいい、偽善でもいい、その人の親切に素直に甘えたくなってしまった。 少しのところで思いとどまったが瞬間の自分は後から思えば情けなくなるほど小さかった。私が自…

あちらがわの事情

いつも羨ましくなる。お洒落な人が、デザートに頼む美味しそうなケーキの画像。映り込んでいる磨かれた銀のフォーク。それを持つたおやかな手。指先を彩るマニキュアの艶。繊細な金属のリング。 そうなれない、とどこかでくくっている私がいる。溜息が出るの…

たつ。

自分の為に、わざわざ何かに取り組むのが本当に下手だ。栄養のある食べ物を、肌の保湿を、シャワーではなく入浴を、規則正しい生活を。全部にいい加減な気持ちが入り混じる。 私は、きっと誰かによって「整えられてきた」のだろう。ちょっと頑張ってみようか…

解ってるんですけれどね、独りで育てていくっていうこと。

長男はこの春2年生に進級したが、登校できたのは1日だ。私が彼の代わりに新しい教科書をもらいに行った。対応してくれたのは副校長先生だった。その先生と立ち話をした。 休校中の学習についてアドバイスをいただいた。親切に丁寧に細やかに説明して下さっ…

使用方法

「どうせ」という逃げ口上は、自分を慰める為に即効性があって、もっともらしく聞こえるから怒りや不安を落ち着けるには最適な文句のように思える。だけれども、その言葉を言い聞かせて無理にでも納得させた自尊心は、やはりどこかでくすぶりが冷めないまま…

とりとめのない自由

子供達を主人の家へ宿泊させている日、私はどうも自分を粗末にしがちだ。家の中を一日100歩程度しか歩かない。朝から寝るまでの間に口にした物が、レーズンパン1個とコーヒー1杯のみというのもある。 息子達の不在による虚無感というのではなくて、単純…

ほのめく熱情

この恋は苦しいのだと、きちんと胸に沈めた中で好意を寄せていたい、と思う。報われないから、どうこうして欲しいとか、切ないからどうにかして欲しいとか、そのような横暴が生まれないようにコントロールしていたい。 一つかみの希望はあってもいいけれど、…

そんな事、みんな解ってるんだよ。

後は個人の判断に任せるよ。そう言い渡す人の心理は、解る。 この言葉は、たぶん、幼い自分の子供には言わない。この言葉は、たぶん、年老いた親には言わない。この言葉は、たぶん、絶対失いたくない人へは、言わない。 自己判断で行動して下さい。 そう言う…

此度は誠に……

深刻な状況になるほど「そもそもが」が登場する。「そもそも、そんな事を繰り返しているから」とか「こういう状態になるそもそもの原因が」とかいう諸悪の根源探しだ。 改善する為に根本の悪玉を見つけるのは構わない。ただ、どこそこの論文を引き合いに出し…

甘酸っぱい「昭和」

母が嫁入りに持って来たダイニングテーブルと食器棚を、私が譲り受けて今も愛用している。昭和50年代に作られた量産品である。彼女は我が父の元に嫁いでから、ずっと団地暮らしであった。だから公共集合住宅の間取りに相応しい小振りなテーブルと食器棚だ…

回を重ねるごとに、趣きを増しています。

豆苗が好きだ。購入し、まず根元を残してハサミを入れた。水栽培にて2回目の収穫ができるので、水を入れ替えつつ1週間待った。購入したばかりの頃のような太い茎ではないが、それなりに元気に育ち上がった。歯ごたえもソフトで繊細な旨さがある。 発芽の力…

200文字、くるくる。

4月に入って200文字で雑記を書いている。私は言葉選びのプロでもないけれど、200文字という縛りは、自分の心情を吐露するのに便利な制約のようだ。ツイッターは確か140文字(英語圏では280文字)。なので、200文字は「呟き」というより、座談のような戯言の…

今は、遠くあるけれど。

3月の第一週目の月曜日から、今まで長男が小学校に登校したのは、たった1日。4月の第二週目の月曜日、始業式に、教室でなく、校庭で新しいクラス発表を聞いて、全校生徒への校長先生のお話を聞いて、それで終わった登校日でした。 あれから毎日、彼は学童…

手の平に収まる奇跡

小さな子供達と暮らしていると、本当にあらゆる「当たり前」を見直す機会がある。 朝起きて、子供達を起床させる時もそう。眠りこけている子供の頬っぺたの丸みってどうしてあんなに愛おしく感じるんだろう。朝日に透ける細かい銀色の産毛があって、半開きに…

ケモノ。

イメージを言葉にする作業って、めちゃくちゃ自分を問われると思っている。頭の中に入って来る像は、言語化できるものばかりだとは限らない。言葉に起すと言う事自体が伝わる形に変換する作業を意味するので、今、目の前で見えている夕焼けや朝焼けの美しさ…

「無垢」を問う。

人からの親切に応える力が欲しい。悪意から発せられた外見上の「善意」でなく、素朴な真心からくる「思いやり」に対してだ。 自分の心のキャパシティーの問題なのかも知れない。良かれと思ってアドバイスしてくれた事、自分の為を思って差し出してくれた手、…

似て非なる。

男性ならカフェー、女性ならティー・ルーム。老紳士なら夕涼みがてら表で囲碁談義、噂好きなお内儀さん同士なら井戸端会議。子供が集まるのは決まって彼等の秘密基地だし、女学生なら洒落た喫茶店でパフェを頼む。 少しだけ昔でも、それ以前でも、それ以降で…

使者

親になって良かったと思う事はいくつもある。一つに「自分のこの言動が、相手にとって価値あるものか」を見直す機会が増えたということがある。一つに、不用意に立ち止まろうとするのを防げたというのがある。一つに、時間の重みを、しみじみ知る事が出来た…

「イイネ!」を育てたい。

こんな時期だからかも知れないし、元々がそういう風土なのかも知れないけれど、良い事を思い付いた人に対して、絶対にどこかからは反対意見が飛んで来る。冷静な判断で、あるいは、好奇心が高じての批判的心理で、強烈な言葉が届く。 だけれど、こんな時期だ…

明日は何を話そうかな。

自宅待機、自宅勤務の社員が我が社でも増え、社内は活気のない状態が続いている。社員同士の他愛ない会話が楽しみな昼食時も、人同士の接近や飛沫感染を防ぐ目的で、個人のデスクでひっそりと弁当を広げている状態だ。 そんな中でも、新しい面白味を見つけた…

あの日の「日常」を、いつか。

近所のインド料理屋がイートインを休み、テイクアウトのみを受け付けるようになった。本格的なカレーが食べられるので重宝していた。客同士が接近しての食事が適切でないため、飲食店は苦しい経営を続けている。 「お待たせしました」と、袋に入った商品を可…

想いを託す。想いを預かる。

リモート作業が出来る社員が、1人、1人、職場から消えていく。通勤する社員は、自宅作業に入った社員からの仕事データを一日中、本社社屋でさばいている。 出来る作業は限られているけれど、課題がこなせないわけではない。多くの手間と、多くの時間をそれ…

非常時を笑う強さ

強く振る舞っていても、やはり疲れている。親という立場は、子供の安心を保証する砦でもあるのだ。一揺るぎもなく張り詰めているのだ。退けない時がある。 世の中がなかなか鎮まらない最中で、平穏を維持する為に、自分が負うべき負荷が、こんなに重かったの…