立体交差のターミナルで
君が生まれた日は
何年経っても
私の記念日。
たくさんの人が行き交う
ど真ん中に、
緻密に交差する
線と線の接点。
君は熱心にそれを
観ていたけれど、
私はそんな君の後ろで
かつての記念日の事を
考えていたんだ。
そう遠くない未来、
君は一人で、
この美しい幾何学模様の世界へ
旅立って行く。
その時、
私には、
もう一つ、記念日が増える。
そうしていつの日か
君がくれた記念日を
ワッペンのようにたくさん付けて、
私は、
またこのターミナルで
いつまでも人の行き交うのを
眺めるのだろう。