ミモザ
花屋の店先に
黄色い小さなポンポンを
丁寧に縫い付けて房飾りにしたような
花があった。
ミモザだ、と
しばらく見惚れた。
スッキリと晴れない
薄曇りの道を歩いて来たから
余計にその彩りが
心を掴んで離さなかったのだろう。
黄色という色は
何やら
うんと
たくましい賑やかさを
兼ね備えていると思う。
視線がうつむく日に限って
私のそばで、
静かに前方を指差してくれるのだ。
ファインダーを覗いて
シャッターを押し続けていたら
何故か
黄色ばかりを追っていた日があった。
落ち込んでいた訳ではないけれど
ちょっとだけ、
後ろ向きな事を考えていたように
思う。
上手くいかないのは
誰のせいでもなくて
誰かの気持ちの形と
誰かの気持ちの形が
好都合には引き合えなかった結果
なんだよな。
それでも、
摩擦を起して擦り減った角の部分は
やっぱり私にはキリキリとして
痛かったから、
誰のせいでもないのは解っていたのに
誰かを責めたくなってしまったんだ。
後ろ向きだと、反省した。
そして同時に
私が寄りかかっても
微塵も揺るがない
たくましい賑やかさを
どこかで追っていたのかも知れない。
無心になって遊ぶ君は
黄色い光の中で
黄色い光の虜になって
黄色い鱗粉を撒き散らしながら
あっちに行って、こっちに行って。
さあ、始めよう、と
私の手を取るミモザのように。
明るい遊びを
飽きる事なく。
(昨年末からこの春まで、延べ、3000人の方々のご訪問を頂きました。
お得情報の掲載も、ハウツーも、商品ご紹介も、これと言ってしておりませんが
何かしらのご興味を持っていただいての閲覧であろうと、ブログ主は
大変恐縮している次第です。
日記と雑記、子供の成長記録に、愚痴に、覚え書き。そういったものの
ごった煮ブログですので、筆者といたしましては望外の喜びです。
有難うございました。)