あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

雑記

風の前の……。

「お母さんの方が先に死んじゃうからねえ」と告げた言葉に、5歳の長男はひどく驚いた様子で私を見返しました。「先に死んじゃうの?」と、疑り深い問いを発したまま何事か考えていた彼が、少しの間を置いた後言いました。「じゃあ、(お母さんは)小さくな…

48年前の赤ちゃんが、今、22年後を眺める。

思い描く事は出来ても、空想を実現するには多くの困難が付きまといます。明日の自分が何を思っていて、誰の言葉に喜び、誰の振る舞いに傷付いているかなんて、解りません。24時間後の、しかも自分自身の事であるにも関わらず、確定でない事だらけで、断言…

400枚目の私

過去に、原稿用紙250枚程度の小説を書いた事があります。好きで始めた原稿執筆ですが、冒頭、初段、中盤、佳境、結末までをくぐっていくにつれ、ピタっと筆が止まる時が幾度もありました。書いている内に、言いたい事はそれじゃない、とか、表したい事を…

書き連ね、書き捨てて、夏、夜深く、独り、ほとほとと、つむぐ。

澱みのない水辺に、蜻蛉は飛び巡ります。色づき始めた稲田の上空にも大きな群になって彼等はスイスイと風を切って渡って行きます。華麗なホバリング(定点飛行)も、上下飛行の自在な事も、小さいながらこの虫を勇ましいモノに見せている大きな要因である事…

私的言霊論

耳に心地よいと思う声を聴くと、ストレスの蓄積された体が正常にリセットされるとか。画面を見る作業に限らず、私達は視覚的情報処理を実生活の中、かなりのボリュームで行っています。目を閉じるだけで(例えば、仮眠など)疲労回復が行えるのは、翻って言…

神鳴る、不徳ある民に。

曇り空は、嫌いではありません。 霞がたなびく空も、鱗雲が覆う空も、物語のようなものがそこにあるようで、私にはむしろ表情豊かに思えるのです。 中でも夏の空が存在感の豊かな雲に遮られる様は、とても神秘的で妙味に溢れています。邪魔な物を吹き払うよ…

萌エイズル、緑ウルハシ。

苔玉を職場で育てていると、以前、書いた気がします。大人の拳ほどの大きさで、頂上にラカンマキが1本生えています。空調の効いた室内で、窓際の空いたデスクに異動させたり、昼休憩にテラスで水遣りしたり、建物の植栽の近くで陽に当てたりしながら楽しく…

幸せのぐるり

手ぬぐいがまた増えました。先日、代官山へ遠出をした際に贔屓にしている手ぬぐい専門店で夏の新柄を購入してまいりました。私の手ぬぐいコレクションはザッと190枚ほど。無印良品のカラーボックスに「赤系・緑系」組、「青系・黄色系・無彩色・その他」…

「ぱれ部」活動日誌(『あかりの森’s bog』課外活動報告記):目黒から代官山へ

目黒の『雅叙園東京』へ出掛けました。最寄り駅から新宿経由で山手線目黒駅下車です。東京に嫁に来て幾年か経ちましたが、東京は大都会ながらもあちこち至る所に坂道が組み込まれているのを何度経験しても私は新鮮に感じてしまいます。実際に我が家があるの…

原稿拝見

ブログ記事を書かせたら、松尾芭蕉先生は、まず間違いなく面白い記事を書くと思います。小説や史記ではなくて、ブログ記事です。とにかく、リズム感が抜群であろうと想像するのです。歯切れがよくて読みやすい、何より、一文が60字程度の簡易な言葉遣いの…

一対の物の怪

万能ではないけれども、持てる限りの力を尽くして目の前にいる子等に向き合うところから何かがみなぎってくるのだと思うのです。怪力の英雄がいるわけではありません。無敵の魔法使いがいるわけではありません。そもそも「母」はそういった理想とはかけ離れ…

「麻」が来た。(我が家の買い物実録)

良い買い物をしました。寝苦しい夜に相応しい、敷きパッドです。肌に接する表面部分は混じりっけなしの国産麻100%で、裏地はポリエステルと綿の混紡にて機能的。それから詰め物は綿でも化学繊維でもなく、これもシート状に重ねた麻です。 使い心地から言…

夏の夕暮れ、母、想ふ。

花の季節も月の季節も、それぞれに心が引かれて私は好きなのですが、息子を2人も授かってからは、暑い夏にも親しみを持つようになりました。短い袖からはみ出した腕の表面を、融けた蝋のように濃度を持った鋭い陽射しが滑り落ちていきます。梅雨が明けて、…

単発の想い・3連 Ⅲ

・収納について思う事 収納スペースが充実していると、確かに細々した物がそこへ収まるので片付けが上手に回っているように思えます。ただ、実際には目立った場所にモノが置かれていないわけで、物理的には「移動」しただけに過ぎません。我が家は主人の方針…

あきらめなよ、どうやったってヒーローって柄じゃないんだから。

「無くては困るモノ」と「有ると便利なモノ」は、常に精査しなくてはいけないと思うんですよね。巷で流行している断捨離の基礎概念の一つでもあるのでしょうけれど、もっと踏み込んで言えば、自分にとって何が大切であるのかを炙り出す作業とでも言い得るで…

こじれるのなら、斜め上が良い。

可愛いモノよりも、カッコ良いモノに憧れてきました。ガーリッシュよりもボーイッシュを常に目指しておりました。小さい頃は男の子の友達とばかり遊んでいたように思います。魔女っ子が変身するキラキラしたアニメよりも、宇宙警察が悪の組織と死闘を繰り広…

「ぱれ部」活動日誌(『あかりの森’s bog』課外活動報告記):赤坂から日比谷へ

赤坂の迎賓館からニコラス聖堂へ、そうして日比谷のミッドタウンへと足を伸ばした昨日の散歩。前日に飲み会で一日家を空けていた主人の罪滅ぼしに、という暗黙裡の家族サービスDAYでありました。最寄りの駅から中央線快速に乗り、四ツ谷で降りて徒歩でテクテ…

堕落論(耽美主義をひとかじり)

全部を受け入れてくれる相手からは、きっと人は離れられなくなると思います。どんな容姿であっても、どんな願望を持っていても、どんな性癖であったとしても、そのどれをも無条件で肯定してくれる相手が現れたとしたら、同性であろうと異性であろうと年齢差…

雨、降りやまぬ羅生門

《「きっと、そうか」 老婆の話が完(おわ)ると、下人は嘲るような声で念を押した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手を面皰(にきび)から離して、老婆の襟上をつかみながら、噛み付くようにこう云った。 「では、己(おれ)が引剥(ひはぎ)をしよ…

断捨離という贅沢

日常生活を機能的にこじんまりとまとめるのが、気持ちの良い暮らし方であるという風潮です。空間に溜まった余計な物を取捨選択し、出来るだけ捨て去る事。複雑に入り組んでしまった人間関係を、本当に快い間柄の方々だけを残して疎遠にしてしまう事。身の周…

大切なお知らせ:私、不機嫌、なう。

不機嫌でいることは誰のせいでもないのです。不機嫌になること自体は本人の気持ちがそのように動くからだと思います。勿論、故意に悪気のある他者から強制的に不機嫌になるようにもってこられたなら話は別なのです。そうでなければ、やっぱり不機嫌になるの…

ブレイクします?

大きくチェーンを広げるカフェが、学生やサラリーマンの「自習室」として運営されているのを最近よく見かけるようになりました。店舗の意図はそこには恐らくないのでしょうけれど、長くテーブルを占拠する学習者に、一般の来店者である私は肩身が狭い想いを…

楽天道

玄関を開けると朝の涼やかな空気と共に、栗の花の濃密な匂いが吹き込んできます。遠目にも薄黄色の粉を振り掛けたように見えるほど、植えられた栗の樹々は今、花盛りです。不思議な事に栗の木は山桜や南天のように、人の気配の無い所で人知れず育っていると…

雑記ing・備忘ing(ザッキーング・ビボーイング)

書くことが何もない日というのが私には驚くほど少ないです。と言うよりも全く無くて『あかりの森’s blog』が雑記帳の名で私の手元に有る事についてはそれで面目躍如だと思っているんです。ただ書く事が「出来ない」日はあります。雑記帳にまで手が回らない、…

ヒステリック・アルチザン

中学2年生の春。大阪から和歌山に引っ越す折に、習っていたピアノ教室を辞めました。保育園の年長さんから続けていた習い事。きっかけはよくある話、友達がピアノに通っていたから。当然途中で辞めたくなって、根気もやる気も起きなくなりました。幼い頃の…

築城

物に対する決まった形を望まないのが、主人が持つ特徴の一つだと思います。食べ物の好き嫌いが無いので、晩御飯のメニューにオーダーはありません(ただし、出された物が美味しいかそうでないかは辛辣に評価します、こちらサイドは多少の面倒臭さを感じます…

単発の想い・3連 Ⅱ

浮かんでは消えるソーダの泡みたいに、結局は忘れるに任せてしまう想いが割と多くあると思います。 少し前に書いた記事も、とりとめもなくそんな私の気持ちを書きなぐったモノ。 akarinomori.hatenablog.com 記事をまとめている側から、ポロポロと崩れていっ…

ヴィンテージ

人の細胞が、すっかり一人分入れ替わってしまうまでにほぼ60年掛かると聞いた気がします。また雨として降った水が、自然を循環して再び地上に降り注ぐには60年の月日を必要とするとも聞いた気がします。恐らく、何かしら覚え違いをしていると思うのです…

『あかりの森’s blog』を雑記帳たらしめている我が思考のいくつか(垂れ流し的な何かがあるので、覚悟のある方のみ入場可)

「日差しもすっかり夏らしくなりました。 夏の景物として知られるほととぎすは,死出の田長とも呼ばれ,この世とあの世を行き来すると言われています。ほととぎすがあの世の誰かに言伝をしてくれるとしたら,誰に何を伝えたいですか。」 出勤後、デスクに落…

夏は来ぬ。

窓を開けば、蒼く染まった初夏の風がどっと吹き込んで来ます。 「目に青葉 山ホトトギス 初鰹」 強靱な盛夏とは異なる、初々しい若武者のような季節。私の住まいする所は東京の郊外ですから、隣接する田畑には時期折々の作物を見かける事もありますし、少し…