あかりの森's blog

7歳、3歳の怪獣達と楽天家シングルかーちゃんの雑記帳。主にのほほん、時々、真面目。

家族

あかるい呼び声

優しくもある君の名を 花の姿をなぞるように 呼んだ日もある。 眠りに落ちる僅かの合間に その呼吸音を確かめる為 膨らんだ唇に手をかざしもした。 余りに頼りない君の背は 知らぬ間に強く粘りのある物になり、 それを追いかける私を置いて 次々に驚きの谷間…

楽園を目指して。

どれも全部違っている。 それを腹立たしく感じる時もあるけれど、 時に、自分が追い詰められるのを 防いでくれる事もある。 夫婦だから同じ方向を向いていた方が良いと 信じる人もいるし、 それぞれ個人なのだから例え家族でも バラバラなのが正常だと言う見…

ままならぬまにまに

何かを「こうだ」と決めつけるのは 難しいよなあ。 判断、決断、評価、審判、議決、結論……。 決めなければ、何も進まないのだけれど たくさんの感情が入り乱れて グリグリ混ぜた絵具みたいに 元の色から変化するでしょう。 どうもそれがね、 決めつける事を…

家族の食べ物

昨日の夕飯の話。 「手巻き寿司って、私、今日、初めて作るんだよね」 あれこれ具材をテーブルに並べる私に 「嘘でしょ」 鼻に皺を寄せて主人が小馬鹿にしたようなコメント。 「だって、実家ではパーティーみたいな事はほとんどしなかったし、 それに、独り…

過不足も無く。

どんなに大量のピースで作った 大きなパズルでも どんなに少量のピースで作った 小さなパズルでも 一枚の絵は 一枚の絵。 始まりのベルの音も 回り始めた時計の針も ちょっとした仲たがいだって、 私達家族にとって そこにあるどれもが 欠けてはならないピー…

優しさの安売り

優しい人が強い人じゃあないんだな。 強い人が優しい人で有り得るんだな。 身体と心が病んでいる時 相手に親切には出来ないからね。 自分の手の平が大きかったら たくさんの水を運べるだろう。 自分の背中が大きかったら 大勢の人を守れるだろう。 だから気…

魔法の園

あんなにがっかりしていた。 あんなに腹を立てていた。 あんなに悲しくもあった。 あんなに泣いてもいた。 それなのに 私達は、 相変わらず 次の日も その次の日も がっかりしたり 腹立たしかったり 悲しくもあり 泣きもする。 それなのに 私達は、 凝りもせ…

奥さん、聴きまして、Aさんの家の息子さん、反抗期ですってよ?

男の子の母なんて まあ、あっさりしたもんですよ。 昨日でしたかね 一昨日でしたかね 私、 息子に小言を言ったんですよ。 つまんない事ですよ、 おかしな姿勢で座るな、とか 早くパンツをはけ、とか。 そしたら息子、 「お母さんなんて、嫌いっ」 伝家の宝刀…

記録と記憶の間には。

たくさんの写真を 撮り溜めてきた。 主人が結婚前に持っていた 一眼レフカメラを譲り受けて それからずっと。 子供が生まれてからは 彼等が初めてこの世で 自分自身で息をし始めた日から 1歳の誕生日を迎える日までを 欠かさず撮ろうと思ってきた。 (勿論…

笑いの神様

笑う事が大事なのは 誰だって知ってるんです。 でも、訳もなく笑えないから 困ってるんです。 面白い事を探してる人っているでしょう。 だけど、そういう人に限って 面白くない状況を 面白くしてもらおうとしてるんです。 場を盛り上げようとする人も 愉快な…

前略 父上様

最期まで、 父に 確かめる事は 出来ませんでしたけど、 父が、 どれほど 私の子供を 宝物に思っていたか、 そんなのは 本当に くだらない質問だったんだなと 思います。 好き勝手動き回る子供を抱えて どこを抱いて良いやら解らず、 おずおずとあやして、支…

あかりの森の研究者

「勉強しなさい」なんて 言う日が来るのかしら。 「忘れ物はないの、大丈夫?」なんて お節介を焼く日が来るのかしら。 君の情熱を 疑う日が来てしまうのかしら。 君が 心の底から「面白い」と思う事を 「人生の何の役にたつの、お止めなさい」なんて 立ち塞…

ふらここや

「ブランコ」ってね 春の季語なんですって。 確かに こぎ始めると ギューンって一気に 空へおっぽり出されるような 愉快な遊具ですよね。 君を抱っこ紐で身体に括りつけて 春へ向かって ギューンって一気に 飛び出す私。 ヘラヘラと壊れたように笑う君は 私…

待つ人。

信じて 待つの。 勇気ある君。 もしかしたら 誰一人、 味方などいないかも知れない この世の中に 真っ赤な魂だけを抱えて 飛び込んで来た人。 誰一人、 信じるに値する人などいないかも知れない この世界に 身震いするばかりに美しい眼差しだけを持って 這い…

祝福される為だけにある形

すがすがしい形。 注ぐ光も 遮る影も そこに 広がる空気全てが ほのかな香りを放つ。 そこに集う人達全員が 健やかな笑顔と 少しの嬉し涙とを 許されてたたずむ。 美しい形。 見惚れる程に これ以上、手の加えようがないほどの 完成された幸せの記号。 出発…

行け、お兄ちゃん号!

お兄ちゃんだって 毎日、前進。 出発進行。 ポッポー! ガタンゴトンっ。 ガタン、ゴトン。 「僕は、役に立つ男、だからね」 akarinomori.hatenablog.com

まだまだ未完成な「Anniversary」だけど。

加齢の為か あっさりした物を好むようになってきた私に 「昼食に中華」という選択肢が無かったのは 仕方ない。 記念日に大した事は出来なかったから、と 主人が言っていたのを思い出したのは 高級とまではいかないけれど、 入店する時に少し背筋が伸びる程の…

君が覚えた兄弟喧嘩は。

辛抱 思いやり 想像力 親しみ。 君は 今身に付けている その全てを総動員して 兄である事を 表している。 小さい人が傷付かぬように 手加減をし、 不用意に後ろへ転がらぬように 首筋を支え、 丸い手で物が掴みやすいように 痛くてもじっと動かないまま。 君…

記念日のあとさき。

この人の 眉毛の形は 長男のそれと そっくりだなあ、と まじまじ眺めた事がある。 眉尻が 春の霞みたいにボヤっとぼやけて こめかみの肌色に溶けていく。 この人の 小鼻が妙に整っている様子は 次男のそれと そっくりだなあ、と じいっと眺めた事がある。 鼻…

博士、新発見です!

遠慮や気遣い無しに ただ、 喜ぶ顔が観たい、 それだけの理由で 自分の大事なものや 自分の一部を 分け与えたいと思える相手がいる。 この幸福を、 両手を広げて 「うわあっ!」って叫びながら ぶっぱなしたい。 今の自分の全部を投げ出しても 微塵の悔いも…

あの親にして、この親あり。

私がこの世に誕生したのは 金曜日でした。 母は帝王切開で 私を産んだのですが、 何故金曜日だったかと言うと お医者様が暇だったからです。 今でも、 母のお腹には ケロイド状の垂直の傷跡が 真っ直ぐに残っています。 私は、 母の狭い産道を自力で通る と…

貴様、何者だ、邪魔立てすると斬り捨てるぞ。

掃除をすれば 掃除機のコードを引っ張る。 台所に立てば ガスコンロのスイッチを押す。 洗濯物をたためば 並べた衣類にダイビングする。 こら、赤ちゃん、 拙者、 天下御免の家事奉行にて 無法無頼を取り締まるお役目。 目に余る悪行の数々、 取り逃がしたと…

本気の喧嘩がカッコイイわけないじゃない。

貴方の常識で生きていない私。 私の常識で生きていない貴方。 貴方は仕事という戦地に出向き、 私は家庭という領地を守る。 私達は戦友だけれど、 私達は親友ではない。 私達は共犯だけど、 私達は確信犯ではない。 目的はいつも一緒。 なのに時に反発しあう…

悩まない子育て

悩みの種は、 風に吹かれなくたって 飛んで来る。 後悔のどん底は、 用意されていなくたって 自分ではまり込む。 お母さんは、 二人分も 三人分も 家族分も 親戚分も 全部抱えてぐるぐるするの。 大きな声出してごめんね。 細かい事で怒ってごめんね。 君の…

食卓には小麦色の三日月

このパンが クロワッサンと名付けられているのは 三日月の形をしているから、 というのは よく知られているけれど 『メゾンカイザー』のCroissant 三日月と言うよりも 木の葉の形をしているじゃあないか、 なんて意地悪な指摘。 三日月型に曲げられているの…

悪い冗談

今時流行らない亭主関白と 古風と気まぐれと一途を 執念深く鍋で煮詰めて、 冷やして煮こごらせて、 作ったような九州男児の 夫。 仕事の弱音など聞いた事もなければ 台所に立ち入った事もない。 腹が減った、と一言呟けば、 食膳が整えられて、 風呂は?と…

晴れ、時々、兄弟、後、我が家。

1歳を迎えた弟に 「お誕生日だね」 と、兄らしい口調で 得意げに語る5歳。 4本だけ歯が生えた口許を ポカンと開けて兄の顔を見上げる 弟。 我が家では 誰かの誕生日は ケーキを食べる日。 ホールケーキにしろ カットケーキにしろ 上にはロウソクが 輝いて…

お父さんには内緒だよ。

お父さんには、 内緒だよ。 ほんとは 布団で寝なくちゃ駄目なんだけど お母さんのお膝で 眠っちゃった。 ちゃんと僕も 一人で寝る事、出来るんだけど、 ついついずぼらでウトウトしちゃった。 ちょっとだけ。 ちょっとだけ。 しー。 お父さんには、 内緒だよ…

肉食系・草食系・豆系

つい先日が節分であったから、 というわけではないが、 私の定説を一つ 披露してみたい。 世に言う 肉食系。 自然界の弱肉強食で 食物連鎖ヒエラルキーの 上位に属する物で、 特に肉食を主とする生物を 肉食動物と呼ぶ。 これになぞらえて、 自分から攻めて…

バイリンガルと嫁

郵便局、銀行、医院、市役所。 かなりの音量で 私が苗字を呼ばれる場所は日常、 いくらでもある。 人の声であったり 電子音であったり。 私はまだ「ネイティブ」ではないらしく 反射的に返事が出来ない事がある。 自分の今の苗字を 当たり前のように聞き逃し…